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濱本 悟*; 山口 憲司; 北條 喜一
no journal, ,
イオンビームによる基板表面処理を併用したイオンビームスパッタ蒸着法によりシリサイド半導体-FeSiの薄膜をSi基板上に作製している。本研究では、基板表面処理条件(入射エネルギー、フルエンス)や蒸着温度が成膜に及ぼす影響を系統的に調べた。実験の結果、成膜温度700Cでは、基板処理に3keV Neを用い、3.710 Ne/cmまで照射した時に配向性の高い-FeSiの単相薄膜が得られた。これに対して650Cでは、3keV Ne, 3.710 Ne/cmの条件で従来にない高配向-FeSi薄膜を得た。これらの結果により、基板表面処理条件と成膜温度の最適化によって高品位薄膜の作製が可能であることがわかった。
諏訪 登志雄; 岡野 正紀; 實方 秀*; 根本 弘和*; 久野 剛彦; 黒沢 明
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東京電力福島第一原子力発電所での事故に伴い、原子炉の冷却に用いられ原子炉のタービン建屋等に滞留した高放射性の汚染水(以下、「滞留水」)については、除染処理システムによりセシウム等を除去し、浄化したうえで冷却水として循環,再利用を行っている。滞留水中の放射能のさらなる低減化を図るため、微量核種除去設備が開発され、除去性能を把握するための微量核種の一つであるテクネチウム-99(Tc)の分析が求められた。滞留水中のTc濃度が微量であり、共存元素を多く含んでいることから、本研究では、Tcの単離,回収に優れた固相抽出と高感度にTcを測定可能な高周波誘導プラズマ質量分析計(ICP-MS)を組合せた滞留水処理液中のTc定量を試みた。
江坂 文孝; 間柄 正明; 木村 貴海
no journal, ,
環境試料中の粒子に含まれる元素の同位体組成は、その粒子の履歴を知るうえで有用な情報を与える。特に、原子力施設で採取された粒子に含まれるウランやプルトニウムなどの場合には、その同位体組成を測定することにより、施設における原子力活動の内容の推定が可能となる。本研究では、二次イオン質量分析(SIMS)による同位体組成分析の前段階において、フィッショントラック法あるいはSIMSによる自動粒子計測を用いる方法の開発を行った。そして、その方法を標準試料及び実環境試料の分析に適用し、高濃縮ウラン粒子を効率的に検知・分析できることを実証した。
山本 博之; 松江 秀明; 江坂 文孝; 笹瀬 雅人*
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本分析法は、試料に中性子を照射した際に起きる核反応により放出されるイオンのエネルギーを測定することでm領域の深さプロファイルを非破壊的に解析するものである。核反応により放出されるイオンの初期エネルギーは反応により一定であること、物質中を通過する際に失うイオンのエネルギーは物質により異なることから、中性子照射によって発生するイオンのエネルギースペクトルを測定することで、試料中におけるホウ素等の深さ方向分布を非破壊的に評価することが可能となる。試料より得られたHeのエネルギーは蒸着したSiの膜厚が増えるに従い、低エネルギー側にシフトすることが明らかとなった。これは前述の通り発生したイオンが薄膜自体及びその上に蒸着されたSi層でエネルギーが減衰することによる。また熱処理後のホウ素拡散層の評価も行い、拡散係数から得られる原子の移動距離と拡散層の解析結果はおおむねよい一致を示した。一般にmオーダーの深い領域における精度のよいプロファイリングは必ずしも容易ではなく、本法により中性子と高エネルギーイオンの透過力を利用して、「埋もれた」領域の解析を可能とすることができた。